アシダカグモってどんな生き物?
アシダカグモは大型のクモで、その名の通り長い脚が特徴です。体長はメスとオスで異なり、メスは平均20~30センチ、オスは10~25センチで、絶食をして子育てをするメスの方が体の作りも足も太くなっています。
手の平を優に超えるサイズのアシダカグモも多く、人家に棲息するクモの中では最大級の大きさを誇ります。その大きさとグロテスクな見た目から苦手な人には恐ろしい存在の害虫として認識されてしまいますが、人間に対して危険性は一切ありません。
ゴキブリが主食の益虫
アシダカグモの主食はゴキブリやハエなどの害虫で、小型であればネズミなども捕食する肉食のクモです。一般的なクモのように巣を作ることはなく、自ら狩りをして獲物を捕食します。捕食中に他の獲物を発見すると新しい獲物を追いかける習性があるので、一度に多くの害虫を駆除してくれる能力があります。
一説によるとアシダカグモが2、3匹棲みつくと半年ほどで家のゴキブリが全滅するといわれています。アシダカグモは人間にとって天敵であるゴキブリを駆除してくれる、いわば益虫です。アシダカグモは人間と利害が一致しているのです。
アシダカグモは「家の守り神」とも言われる
アシダカグモは害虫から家を守ってくれるので、家の守り神ともいわれています。その家のゴキブリを食べ尽すと自然と姿を消してしまうようです。そもそもクモ自体古くから家の守り神として言い伝えられていますが、迷信にも理由があることがわかりますね。
アシダカグモは人に懐くって本当?
人間にとって頼もしい一面を持つアシダカグモですが、人に懐くといわれているのは本当でしょうか?もう少しアシダカグモの生態に迫ってみましょう。
夜行性で臆病だが懐くこともある
アシダカグモは夜行性で、見た目に反してとても臆病な生き物です。警戒心がとても強いので、人間が近づくとすぐに逃げてしまいます。振動を感知すると大きさに見合わない素早い動きで物陰に隠れます。アシダカグモは自分より大きい生物には近づかない性質があるためですが、人間に害がないとわかれば近づいてくる可能性もあります。人間に慣れれば手の上に乗ったりある程度のコミュニケーションも取れるようです。
アシダカグモと同居することも可能!
最近わが家にアシダカグモが住み着いてて、最初はみんなこわがってたけど、ゴキブリを食べてくれるいいクモだと教えてからはペットみたいな扱いになってるw
— いずっち (@Izutti_ydk) July 6, 2019
長男「あ、アシダカさんだ!こんにちわ~
次男「くもくも~😊 pic.twitter.com/MLsTdWClzB
アシダカグモは大人しいので人に攻撃してくることもなく、素手で無理やり掴もうとすると噛みつかれる場合もありますが人間に有害な毒は持っていません。アシダカグモの消化液にある殺菌作用でゴキブリの菌を殺し、自らも清潔に保っているので衛生面に不安もありません。人間にとって無害な存在なので、アシダカグモと同居するのは問題ないといえるでしょう。
人に懐くアシダカグモはペットにできる?
人に懐くアシダカグモ、益虫でもあるのでペットとして飼えるのか検証していきます。どのようにアシダカグモに接すればいいのかみていきましょう。
夜行性なのでペットにするのは向き・不向きがある
アシダカグモは夜行性のため、人間が寝静まった頃に姿を現します。活動時期も6~8月と短く、この間に2回産卵します。それ以外の時期は天井裏や床下などで冬眠をしているようです。寿命はメスが5~7年、オスが3~5年と長めですが昼間に姿を見ることはほとんどないので、一緒に暮らしていても接点は少ないかもしれません。ペットという感覚で飼うには向き・不向きがあるといえそうです。
懐くにはどうすればいいの?
アシダカグモに懐いてもらうには時間が必要です。アシダカグモは非常に臆病な性格なので、人間が危険を及ぼす存在でないと認識してもらうまで根気よく付き合わなければなりません。人に懐くというよりは慣れるといった感覚かもしれません。あくまでも虫なので適度な距離感で付き合った方がいいでしょう。
放し飼い状態でそっと同居するのがおすすめ!
アシダカグモと上手に付き合うには、放し飼い状態にしておくのが一番です。人間もアシダカグモの見た目に怖さを感じるかもしれませんが、アシダカグモも人間に恐怖を感じるのは一緒です。むやみに怖がらせないようにそっとしておきましょう。
愛称はアシダカ軍曹
アシダカグモは愛好家からアシダカ軍曹の愛称で親しまれています。人間の天敵であるゴキブリを捕食するゴキブリハンターとして、その特徴的な容姿に魅了されるファンも一定数いるのです。アシダカグモの生態がわかるとアシダカ軍曹のネーミングにも納得です。
アシダカグモを見かけたらそっと同居しよう
アシダカグモは強烈な見た目をしていますが、人間と利害が一致する珍しい存在の益虫です。家の中でアシダカグモを見つけたらそっとして共存することをおすすめします。家からゴキブリがいなくなる短い間ですが頼もしい同居人として愛着もわくかもしれません。
蜘蛛の丞
蜘蛛にはお釈迦様の使いと言われていて、スピリチュアルな意味もあるんだよ。
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