「うだつが上がらない」の意味とは?
「うだつが上がらない」とは、「いつまでたっても出世しない」、「生活が向上しない」、「金銭に恵まれない」、「よい境遇になれない」といった意味で使われることわざのひとつです。
仕事や商売でなかなか成果が上がらない時や、生活や地位がなかなか向上しない時などに使われる、ネガティブな意味を含む言葉です。
そもそも「うだつ」ってどんな意味?
「うだつ」とは、日本建築用語で梁の上に立てて棟木を支える短い柱のこと、または屋根より一段高く設けた小屋根つきの土壁のことをいいます。
時代や地域によってその役割は変化し、防風や装飾が目的のものもあれば防火壁の役割を持つものもあります。江戸時代以降は装飾として設置されることが多かったようで、うだつをつけるには費用がかかることから、立派なうだつをつけることが家の格を表すステータスとされていました。
漢字で書くと「梲」あるいは「卯建」と書きます。
現在においても徳島県や岐阜県ではうだつのある町並みを観光名所として保存しており、実物の「うだつ」を見ることができます。
「うだつが上がらない」の語源・由来
「うだつが上がらない」の語源は諸説ありますが、
- 「うだつ」と呼ばれる屋根を支える短い柱が棟木におさえつけられているように見えるからという説
- 「うだつ」を造るためにはかなりの費用がかかるため「うだつが上がらない」=裕福ではないという意味で使われるようになったという説
そこから「生活が向上しない」、「出世しない」、「金銭に恵まれない」といった意味を持つ言葉として使われるようになりました。
「うだつが上がらない」の使い方や用例
「うだつが上がらない」という言葉を日常生活で使う機会はあまり多くありませんが、主に人物や環境のマイナス面を表す時に使われます。
DATSUさん
このままこの会社にいてもうだつが上がらないよ…
番長
そんな弱音を吐いているヒマがあるなら死ぬ気でやってみろ!!
お母さん
あんなうだつの上がらない男とは早く別れなさい!!
スケ番
うるさいなあ。好きになっちゃったものはしょうがないだろ!!
このように、「良くなる気配がない」ことや、「だらしない」「向上しない」様子を表す時に使われています。
「うだつが上がらない」の類語
「うだつが上がらない」と近い意味を持つ言葉としては、「鳴かず飛ばず」、「甲斐性なし」、「なかなか芽が出ない」などが挙げられます。
どれも思うように活躍できない様子、経済力がない様子、物事がうまくいかない様子を表す言葉と言えます。
DATSUさん
やっとCDデビューしたのに、売り上げは鳴かず飛ばずだ…(思うように活躍できない)
課長
おまえは本当に甲斐性なしだな!!(経済力がない)
上京君
夢を追って東京に出てきたのに、なかなか芽が出ない…(物事がうまくいかない、向上しない)
このように、どれも環境や状況のマイナスを表す時に使われる言葉です。ニュアンスや状況によって使い分けるようにしましょう。
「うだつが上がらない」はネガティブな言葉
「うだつが上がらない」の「うだつ」は漢字で書くと「梲」、「卯建」と書き、日本建築における柱や小屋根を指すもので、裕福さの象徴になるものです。
そこから「いつまで経っても出世しない」、「生活が向上しない」などネガティブな意味を持つ言葉が生まれました。
「うだつ」の意味や語源を理解することで、意味もしっかり覚えていただけると思います。会話の中で使う時は「うだつが上がらない」=ネガティブな言葉だということを意識して使うようにしましょう。
「うだつが上がらない」の意味まとめ
- 「うだつが上がらない」とは、「出世しない」「経済的に恵まれない」といったネガティブな意味を持つ言葉
- 語源となる「うだつ」は日本建築における柱や小屋根つきの土壁のことをいい、防火や装飾の役割をもつ