いけず石の歴史
いけず石がいつ頃から置かれるようになったかについては定かではありませんが、最も古いのは平安時代とされています。平安時代の頃は、牛車が走っていました。そのため、牛車避けとなる物(現在のいけず石と同じ働きをする物)があったという話です。
平安時代といえば今から約1300年前になりますから、いけず石は歴史ある物だということになります。
また、現在のようないけず石が普及したのは明治大正の頃ではないかという話もあります。京都では、明治時代に日本初の路線バスが走るようになり、大正時代にはそれまで主な交通手段であった路面電車から自動車に移り変わっていきました。交通手段が車になることで、いけず石の数も増えていったのではないかと考えられています。
いけず石は法律的には違法?
マイルド君
いくら自分の敷地の中だからといって、いけず石が道路ぎりぎりに置いてあると、結構厳しいものがあるぜ。対向車とのすれ違いで愛車が傷付いちゃって、俺の心も傷付いちゃうんだよなぁ…。
いけず石は、家の外壁等が傷付かないようにするための防護策として置かれています。しかしながら、車やバイク等乗り物に乗っている運転手やそこを歩行する人達にとっては、迷惑に感じられることもあるでしょう。
いけず石が法律的にダメなのであれば、どかして欲しいと考える人もたくさんいるはずです。しかしながら、いけず石が法律的にしてはいけないことなのかどうかは一概には言えないのです。
いけず石が法律的に違法になるかは、いけず石がどこにあるかによって異なります。石の大きさなどは関係ありません。
- 違法ではない場合:自分の土地や私道
- 違法の場合:自分の土地の外、公道
では、いけず石に車が当たってしまい、裁判を起こした場合どうなるのでしょうか。
私有地に置かれているいけず石に車が当たって車に傷が付いてことを訴えようと考えても、現実的には車を運転していた人が他人所有の敷地に無断で入ったことになります。そのため、裁判を起こしても反対に不法侵入として訴えられる可能性があります。
萌え袖ちゃん
なんだかなぁと思っても、いけず石の場所が私有地だったら、どうしようもない案件なのよね。
敷地ではなく道路に置いたいけず石で車が傷付いた場合でも、そのいけず石を置いたのがそこの家の人という確証がない限り、やっぱりどうにもできないし。
いけず石の他にも?京都文化を表すもの
犬矢来(いぬやらい)
着物ちゃん
竹で丁寧に作られた「犬矢来」の道は京都ならではの光景ね。
いけず石の他にも京都らしいのが、犬矢来(いぬやらい)という柵のようなものです。この犬矢来は、もともとは名称通り犬の放尿除けでしたが、いけず石と同じような役割も果しています。設置場所も私有地と公道との境の敷地間で、京都の雰囲気を壊さない風情ある外観をつくりだしています。
犬矢来の効果・目的
- 敷地と公道の境を示す働き
- 外壁に泥が跳ねよけ
- 汚れが付かないようにする
- 泥棒よけ
- 犬の放尿を防ぐため
犬矢来は、しなり易い竹が主に使われていますが、最近では金属で作られたものもあります。
いけず石とは?まとめ
いけず石は、京都の街角で佇む風情ある石のことです。このいけず石は、ただ置かれているのではなく、外壁を傷つけられたり壊されたりしないように、防御するための知恵となります。
いけず石は、形大きさなど様々です。また、置かれている場所も、敷地の角だけでなく家を取り囲むように置いてあるものもあります。京都に行く機会がありましたら、どんないけず石があるか、ぜひご自分の目で確認してみてください。
萌え袖ちゃん
最後まで読んでくれてありがとう!!
車で通りにくかったり、車体を擦ってしまったりと、ホント「いけずな」石だよね。でも、京都の人からすると、敷地と道路の境を教えてあげる親切な石なんだって。「いけず石」は京都人の性格を現わしているともいわれているから、そういった観点から見てみるのも面白いかも!
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