御召(おめし)の意味とは?着物の格や種類について解説!

御召(おめし)の意味とは?着物の格や種類について解説!

お召しとは絹織物のひとつで、全体に波を打ったような細かいシボがあるのが特徴です。織りの着物の中では最高級品に位置し、合わせる帯によってはお祝いの席にも着用できる着物です。お召しの持つ特徴や種類はもちろんのこと、着物の格の見分け方についても解説していきます。

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  1. 1お召しとは?
  2. 1.1お召しの定義や意味
  3. 1.2お召しの歴史的背景
  4. 2お召しの着物の特徴
  5. 3お召しの着物の格の見分け方
  6. 4お召しの種類は?
  7. 4.1お召しの産地
  8. 4.2お召しの着物の代表的な種類

お召しとは?

光が当たっている着物姿の女性
Photo bysasint

お召しとは?

お召しとは何かについて、すぐに答えられる人は少ないと思います。「召し上がる」など、尊敬語として使われることは良くありますが、実は、着物用語のひとつでもあります。まずは、お召しの定義や意味、歴史的背景から見ていきましょう。

お召しの定義や意味

着物姿の3人の女性
Photo bymiz306

お召しの定義や意味

お召しとは、お召縮緬(おめしちりめん)の略称です。
お召しの定義は、糸にヨリをかけて、全体に波を打ったような細かいシボ(糸のヨリ具合によって、縮織物の布の表面に表れたシワ)のある絹織物とされています。縮緬の製法に、もうひと手間を加え、より精巧に織り上げたものです。
お召しは、織りの着物では最上格に位置付けられ、柄次第でカジュアルから余所行き(よそいき)着まで、幅広く活用できる着物と言えます。専門家や愛好家からの評価も高く、根強い人気のある着物です。

お召しの歴史的背景

甲冑を着た人形
Photo byWikiImages

お召しの歴史的背景

お召しの起源は、柳条縮緬(りゅうじょうちりめん)にあります。天正年間(1573~1592)に中国から和泉の堺(現在の大阪府堺市)に伝わったのが始まりです。
「お召し」という名は、11代将軍徳川家斉(いえなり)が好んで着たことから、徳川家の着物(御召料)としたことに由来します。「高貴な方の御召物」という意味の言葉が略されて「お召し」という名が付いたと言われています。高級な質感は、貴族や武将に大変好まれ、以後、庶民の間でも晴れ着として着用されるようになりました。「東の銘仙(めいせん:丈夫で安価な平織りの絹織物)、西のお召し」と言われるほど、お召しは一世を風靡(ふうび)しました。明治・大正時代の女性は、お召しの着物に憧れ、お召しに袴姿の女学生スタイルは、洋服ができる大正末期まで大流行しました。今でも卒業式などで見受けられますが、このような歴史の名残と言えます。

お召しの着物の特徴

2枚の着物のイラスト
Photo byAquamarine_song

お召しの着物の特徴
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お召しの着物の特徴には、以下のような点があります。

  • 全体的に細かなシボがある。
  • 光沢感がある。
  • やわらかな風合いと独特のしゃり感がある。
  • 着崩れしにくく、しわになりにくい。
着物には、白生地の反物(たんもの:約36cmの幅で織られている布)に織ってから色を染める「染めの着物」と、あらかじめ染められた糸で反物を織る「織りの着物」があります。お召しはその中間に位置する着物と言えます。
特徴のひとつであるシボは、たて糸とよこ糸ともにヨリをかけて糊付けし、織り上げたあとに湯につけヨリを戻すことで凹凸(おうとつ)を出す製法です。

お召しの着物の格の見分け方

紫色で金色の鶴が描かれている柄
Photo byjwskks5786

お召しの着物の格の見分け方

和装には格と種類があります。洋服とは違い、着物は全て同じ形をしていますので、素材や模様などに見分けるポイントがあります。主な着物の分類を見てみましょう。(染めと織りでは、染めのほうが格上になります)

【染め】

  • 正礼装・・・黒留袖、色留袖、振袖
  • 準礼装・・・色留袖、色無地、訪問着、江戸小紋、付け下げ
  • 略礼装・・・付け下げ、江戸小紋、色無地
  • よそゆき・おしゃれ着・・・江戸小紋、小紋、
【織り】
  • よそゆき・おしゃれ着・・・お召し、紬
  • 普段着・・・紬、木綿、ウール


染めの着物は格が高く、フォーマルからセミフォーマルなシーンで用いられ、織りの着物はカジュアルなシーンで用いられます。お召しは、よそゆき・おしゃれ着に分類されますが、柄や合わせる帯によっては、お祝いの席にもふさわしい装いになりますので、TPOにあったものを選びましょう。

【補足】
  • 黒留袖(くろとめそで):既婚女性の第一礼装。縫い目で柄がつながる絵羽模様(えばもよう)が裾のみにある黒地の着物。
  • 色留袖(いろとめそで):未婚・既婚を問わない女性の第一礼装。宮中行事では色留袖が正礼装になる。
  • 振袖(ふりそで):若い未婚女性の第一礼装。成人式など式服として着用する。
  • 色無地(いろむじ):色で染めた無地の着物。紋の数により正礼装から略礼装まで格が変わる。
  • 訪問着(ほうもんぎ):おしゃれ要素の強い礼装。上半身と裾に絵羽模様がある。
  • 江戸小紋(えどこもん):略礼装としても用いられる外出着。型を使い、柄を白く染め抜く一色染めの着物。
  • 付け下げ(つけさげ):訪問着より略式のややあらたまった社交着。
  • 小紋(こもん):幅広いコーディネートが楽しめるおしゃれ着。型を使い、パターン化された柄を染めた着物。
  • 紬(つむぎ):庶民の日常着として発展してきた織物。通好みのおしゃれ着。
  • 木綿(もめん):庶民の日常着として親しまれてきた着物。
  • ウール:普段着の装いで、夏以外は一年中着ることができる着物。

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お召しの種類は?

松竹梅のイラスト
Photo by800bikuni

お召しの種類は?

お召しの着物には、柄や風合いにいくつかの種類があります。まずは、お召しの主な生産地をご紹介します。

お召しの産地

青い空と草原
フリー写真素材ぱくたそ

お召しの産地

桐生お召し(きりゅうおめし)

桐生お召しは、群馬県桐生市付近で生産されるものを言います。
この地は、奈良時代初期に調(物品で納める税)として朝廷に納められた記録もあるほど古い歴史があります。着尺地(きじゃくじ)と帯地を主とし、昭和に入ってから「絣(かすり)お召し」「縫取(ぬいとり)お召し」を盛んに生産していました。

萌え袖ちゃん

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西陣お召し(にしじんおめし)

西陣お召しは、京都西陣(上京区全域と北区、右京区の一部を含む地域)一帯で生産されるものを言います。帯地を中心に、お召しや紬などの着尺も作られます。代表するお召しは「絣お召し」と「縞お召し」です。

十日町お召し(とおかまちおめし)

十日町お召しは、新潟県十日町市で生産されるものをいいます。
江戸時代は越後縮(えちごちぢみ:よこ糸にヨリをかけ縮織にした麻織物)の産地でしたが、明治期の明石縮(あかしちぢみ:よこ糸にヨリをかけ縮織にした絹織物)以降は先染めの絹織物産地へと変化しました。

米沢お召し(よねざわおめし)

米沢お召しは、山形県米沢市で生産されるものを言います。
上杉藩が収益拡大を図るため、織物の素材となる青苧(あおそ)や桑、紅花などの栽培を奨励したことに始まります。後に、機織の技術を発展させ、さらには糸を染めてから織る「先染め」の技術も確立していきました。現在では、呉服と洋服地の産地として評価を得ています。

お召しの着物の代表的な種類

袴姿の2人の女性の後ろ姿
フリー写真素材ぱくたそ

お召しの着物の代表的な種類

次に、代表的なお召しの種類をご紹介します。

絣お召し(かすりおめし)

絣お召しは、矢羽根模様が特徴で、ジャガード機の普及により生産性が向上しました。大正から昭和初期にかけて女学生の間でブームとなりました。絣とは、文様織りのひとつで、機織前にあらかじめ染め分けた糸(絣糸)を用いることによって文様を表した織物のことです。モチーフである矢羽根は、嫁ぎ先から戻ることのないように、という意味の縁起物として、嫁入り道具のひとつに含まれていました。昔は「紫×白」が定番でした。

闇の存在「XXX」

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*ジャガード機:1804年、フランス人、ジョセフ・マリー・ジャガールによって発明された、1人で操作できる画期的な織機のこと。明治8年に輸入されて以降、京都西陣を中心に普及した。

縞お召し(しまおめし)

縞お召しは、徳川家斉の御召物であった柳条縮緬(りゅうじょうちりめん)が起源とされ、お召しの始まりとも言われています。縞とはストライプ文様の総称です。紋お召しや絣お召しが作られる以前は、大名縞、万筋、棒縞や子持ち縞など、さまざまな種類の縞柄が作られていました。さりげない彩りや素朴な趣のある、粋な個性が感じられるお召しです。お稽古着や外出着として活用されます。

紋お召し(もんおめし)

紋お召しは、将軍に献上された御召をイメージし、シボはあまりたたせずに、強撚(きょうねん:撚りを1000回以上)の駒撚糸(こまよりいと:撚りを1300~1600回、上撚と下撚の差が小さい)を使って平坦に織ったものです。合わせる帯次第で、幅広い場面で着ることができます。

無地お召し(むじおめし)

無地お召しは、単色で文様をつけずに織り上げたお召しです。刺繍紋を背紋に入れれば略礼装になり、合わせる帯によってはパーティーやお茶会など、さまざまなシーンで着ることができます。個性やセンスを発揮できる着物なので、上級者向けのお召しとも言えます。

縫取お召し(ぬいとりおめし)

縫取お召しは、模様の部分を金糸や銀糸、色糸で縫い取った、刺繍のようなお召しです。多彩で複雑な文様は、まるで絵画のようです。紋を付けたり、帯の格を上げたりすれば、披露宴にも着ていくことができます。

着物の織りと染めがわかる事典

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御召(おめし)の意味のまとめ

  • 御召(おめし)とは、お召縮緬の略称です。
  • 全体的に細かなシボがあり、光沢感とやわらかな風合い、独特のしゃり感があるのが特徴です。
  • よそゆき・おしゃれ着に分類されますが、柄や合わせる帯によっては礼装にもなり、幅広いシーンで活用できる着物です。
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