十五夜とは?
十五夜とは旧暦の毎月15日の夜のことを指します。
秋に限定されないことにも驚きですが、十五日という日付にも驚かれた方がいらっしゃると思います。十五日、と決まった日付を聞くと「それって満月じゃなくても例えば新月でも十五夜なの? 」と疑問が出ますよね。
実は、旧暦では十五日を満月、またはほぼ満月と決まっていたのです。旧暦では新月の日を毎月の一日と決めているため、月の満ち欠けのサイクルからすると十五日はほぼ満月になります。
十五夜は「中秋の名月」のこと?
中秋の名月は、旧暦八月十五日に出る月のことです。読み方は「ちゅうしゅうのめいげつ」といいます。「名月」だけでも十分様になるのに、なぜ「中秋の」と頭に付くのでしょうか?
萌え袖ちゃん
気になる気になる〜。
旧暦の秋は七月〜九月なので、秋の中間である八月を昔の人は「仲秋」と呼びました。そして、仲秋の更に中間である八月の十五日を「中秋」を称したのです。そのため、十五夜の夜の月には「中秋の」と付くわけです。
同じ読み方で「仲秋の名月」がありますが、「仲秋」と言うのは八月全体を差す言葉なので、八月一日〜末日までのすべての月夜を含むことになります。だから十五夜は「仲秋の名月」とは言わないのですね。
萌え袖ちゃん
そうなんだ!
でもでも、なんでお月見って年に一回なの?
十五夜って毎月あるんでしょ?
萌え袖ちゃんから疑問が出たので、回答しますね。
お月見が年に一度の理由は単純です。旧暦の八月十五日が最も月が美しく見えるからです。
十五夜の由来・歴史
それでは、十五夜の由来と歴史についてご説明します。
日本では昔から月を神聖視していました。正確にはわかりませんが、縄文時代にはすでに月を愛でる風習があったようです。
十五夜と呼ばれるお月見が盛んになったのは平安時代です。貞観年間(859〜877年ごろ)に中国から伝わり、貴族の間で広まりました。
その頃のお月見は、月を見ながら酒を飲み交わし、船の上で詩歌や管弦を楽しむ風流なものだったそうです。今の楽しみ方とは違っていて、空を見上げて天に浮かぶ月を眺めるのではなく、水面や盃の酒に映った水の中の月を愛でていました。
庶民も十五夜を楽しむようになったのは、平安時代から何百年も経った江戸時代からです。貴族とは違い、お供え物を用意して無事に収穫できたことを喜び感謝する日となりました。
庶民にとって大事なのは風流よりも日々の糧となる食べ物に感謝する日。ある意味当たり前の楽しみ方に変わっていったのです。
萌え袖ちゃん
縄文時代から月を見て楽しんでたんだ!
お月見が毎年一日だけな理由もわかったよ。毎月お祭りがあるのは楽しいけれど、準備が大変だもんね!
2019年の十五夜はいつ?
それでは、今年の十五夜の日にちと例年の日にちを見ていきます。
旧暦の日にちは新暦に直すと毎年ずれが生じます。
- 2017年の十五夜は10月4日。
- 2018年の十五夜は9月24日。
萌え袖ちゃん
十日もずれてたの!?
全然知らなかった〜。今年はいつなの?
天気も気になるかも!
気になる2019年(令和元年)の十五夜は9月13日です。
天気の方は近くになってみないとわかりませんが、調べによると日本ではこの時期、晴天に恵まれにくいようです。参考に2018年の天気を見てみましょう。
引用元 : tenki.jp
萌え袖ちゃん
2018年は全国的に天気が悪かったんだね。う〜ん残念!
お月見の風習や由来とは?
お月見の由来についてはほぼ十五夜と同じなので、ここでは風習について言及していきます。
お月見の風習は地域によって様々です。お月見は最初の頃、だんごではなく里芋などの芋類が供えられていました。このことから「芋名月」という言い方もします。
このように昔ながらの風習が残っている地域もあれば、長崎県の五島の一部では「まんだかな」という風習もあります。
この「まんだかな」はハロウィンと大変似ています。十五夜になると子供たちが連れ立って色々なお宅を練り歩きます。「芋はまんだかな〜」と言いながら、各お宅から芋やお菓子をもらうのです。
ススキを飾る由来とは
お月見といえばススキのお供え物が定番ですよね。ススキは十五夜の夜に、月の神様が依り憑くための「依り代」としてお供えされます。
本来は稲穂がその役目を担っていましたが、地域によってはこの時期に稲穂が揃わなかったため、稲穂によく似ているススキが使われることになったのです。
また、ススキには昔から魔除けの効果があると信じられていました。お月見の後、お供えしていたススキを軒先に吊るすことによって、一年間病気をしなくなるという言い伝えも残っています。
月見団子をお供えする由来とは
お月見のお供え物として外せないのが月見だんごですね。
しかし、お月見という行事が庶民にも広く知れ渡ったはじめの頃、お供え物は収穫された芋類や豆類が基本でした。
だんごが供えられるようになったのは江戸時代の後期からです。五穀豊穣の感謝を込める意味で収穫されたお米で作っただんごをお供えするようになりました。
だんごをお供えする理由は、だんごが保存に適しており、丸い形が「円満」「完全」「完璧」などを意味して縁起がいいから、など様々あります。
お供え物はいつ食べる?
お供え物を食べる時間帯は、お供えした後ならいつでも大丈夫ですが、あえて言うなら、月が一番綺麗に見えるタイミングをオススメします。
美しい月を見ながら食べるおだんごは、なかなか風情がありますよ。円満な関係が築けるように、大切な人と一緒にいただくのもいいですね。
十五夜のお月見の食べ物
ここからはお月見でいただく食べ物を三つご紹介します!
どれもおいしいので、お月見の日にはぜひ用意していただきたい物ばかりです。お店の紹介もしているので、よかったら訪れてみてくださいね!
お団子
十五夜のだんごは満月をイメージして、大きめに作ります。大きさは約10cmほどが良いとされています。また、小さいだんごは仏壇に供えるだんごを連想させるため嫌われます。
萌え袖ちゃん
すごーい。10cmなんて、一口で食べたらアゴが外れちゃう!
大きな月見だんごは平たくしたり、二回、三回に分けて食べることをオススメします。
月見だんごといえば、ピラミッド状にのせますよね。乗せる個数は地域によって多少異なりますが、一般的には十五個です。一段目が九個。二段目が四個。最後の二個は縦に一個ずつのせます。
その他、地域によって違うのは形です。関東では丸が基本ですが関西では楕円形や芋型が多く、さらにきな粉を振りかけます。美味しそうですね。
ウサギまんじゅう
ウサギまんじゅう
昔はありませんでしたが、最近ではウサギまんじゅうというお菓子があります。
見た目がとてもかわいらしいので、お皿に一匹乗っているだけでとても華やかになりますよ。
かわいらしいうさぎと一緒に中秋の名月を楽しんでみるのもいいですね。
ウサギまんじゅうの有名所を調べたのでご紹介します。
- 「うさぎや」:定休日が水曜日で、営業時間は午前九時〜午後六時までです。アクセス方法はJR線「御徒町駅」南口から徒歩8分です。どらやきとウサギまんじゅうで有名なお店です。
- 「茶寮風花」:鎌倉にあるお茶屋さんで、明月院のすぐ前にあります。定休日は水曜日で、営業時間は午前十時〜午後五時三十分となっております。ラストオーダーが五時までとなっているので、早めに入ってくださいね。自然を感じる落ち着いた雰囲気と、甘めのうさぎまんじゅうが好評です。
月餅
お月見の食べ物である「月餅(げっぺい)」は、中国のお月見で食べられている定番の食べ物です。日本でいうだんごですね。
月餅は、丸い形から「家族の輪」「家族の団らん」を表します。お月見が中国から伝わっただけあって、縁起物の意味も大変似ていますね。
「家族」というキーワードが表すように、中国人にとってお月見とは、月を見て楽しむ日というだけではなく、大切な家族団らんの日でもあります。家族が同じテーブルについて空の月を見る、家族間の絆を深める大事な行事なのです。
日本人である私達もおいしい月餅を家族で味わって、今一度家族がいるありがたみを感じるのも良いですね。
十五夜とお月見の由来と食べ物のまとめ
- 十五夜は毎月十五日の夜のこと。
- お月見の由来は遥か昔から。お月見、という行事が庶民に広まったのは江戸時代。
- お月見でオススメの食べ物は定番のだんご 。最近流行りのうさぎまんじゅう。中国から来た月餅。
十五夜とは?