「乖離」と「剥離」の違い
「乖離」と「剥離」は、漢字もどことなく似ていますが、それぞれの意味は異なります。
「剥離」の「剥(は)」は、はがすことを意味します。「離」は離れることで、2つ合わせて「剥がれ離れること」という意味です。
ボクサーに多い「網膜剥離」は字の通り、網膜が剥がれてしまい視力が低下するという疾患です。もし、「剥離」か「乖離」のどちらを使うか迷ったら「網膜剥離」を思い出すと良いかもしれません。
次に剥離の例もご紹介しますので、「乖離」との違いなどを確認して、間違わないようにしましょう。
【急告】
— rokuno kouichi (@RokunoKouichi) November 22, 2019
30年くらい前の、DGのCD、2枚組以上の場合、薄いスポンジが挟んであったのですが、このスポンジが経年劣化でボロボロになり、さらに一緒に入っていたCDがみな、なぜか剥離を起こし再生できなくなるという現象が起こっています。
取り急ぎ確認の上、スポンジを捨てた方が良いと思われます。 pic.twitter.com/JOWEdAEqfu
この例では、「剥離を起こし再生できなくなる」と書かれていますが、これはCD表面のコーティングが「剥がれて再生できなくなる」という意味です。乖離の意味は「かけ離れてしまう」ですから違いは明らかでしょう。
同様に下の新聞の例では、ゴジラの滑り台に塗られていた塗料が剥(は)げてしまったことを「塗料の剥離」と表現しています。
昨日=22日の神奈川新聞に、今月で誕生20年となったゴジラ滑り台の記事。
— まるぞー (@maruzo0717) November 22, 2019
塗装の剥離など傷みが目立つようになり、市が補修を検討中という話。東宝担当者のコメントも載ってます。
なお、他の遊具の改修工事に伴い、3月下旬まで利用できないとのこと。
それにしても、除幕式を見たものが20周年とは… pic.twitter.com/1NAZGS9Ll7
若手社員
「乖離」の類語もいくつかあるから、混乱しないようにチェックしておこう。
乖離の類語
「乖離」と似た言葉でよく使われている言葉を紹介します。
類語 | 意味 |
解離(かいり) | 1つだったものが分かれること、解き離すこと。 1つの分子がより小さな分子に分解すること。 |
分離(ぶんり) | 別れること。分け離すこと。 |
別離(べつり) | 別れること。別れ、離別。 |
漢字だけ見るとどれも似たような意味に思えますが、「解離」は化学や医学の用語として使われることが多く「電気解離」「解離熱」などの熟語があります。
「分離」は一体だったものから離れることや離すことで「政教分離」「遠心分離機」のように使われます。「別離」は主にやむをえない事情で親しい人と別れることを言い、用例は「別離を悲しむ」「別離の涙を流す」などです。
中でも「乖離と解離」は同じ読み方なので、それぞれの意味を覚えて正確に使い分けるようにしましょう。
まとめ
「乖離」とは「離れること」「はなればなれになること」という意味です。株式投資で使われる「乖離率」など理解するのが難しい単語に使われている言葉ですが、意味や類語などを正しく理解して使えば、ビジネスシーンでの会話もランクアップします。ぜひ仕事や日常生活の中で活用してみてください。
若手社員
最後まで読んでいただきありがとうございました。「乖離」の意味はわかりましたか?
僕は株にも興味が出てきちゃいましたよ!
- 1
- 2