月の名前は満ち欠けで決まっている!
月の名前といえば、私たちは「満月」や「半月」といった満ち欠けに応じた呼び方を学校の国語や理科の授業で勉強します。より難しい呼び方まで含めれば「上弦(じょうげん)の月」や「下弦(かげん)の月」も習いますが、なかなか日常生活の中では役立てられないケースも多いです。
しかし日本には満月などの呼び方のほかにも、「三日月」などの優雅な呼び方もあります。満ち欠けに応じた月の呼び名をいろいろと知っておくと、月を鑑賞するときの楽しみを増やすことができます。ぜひとも、月の名前を知って今日の月をよく観察してみてください。
月齢とは?
月の名前について見ていくには、月齢についても一緒に知っておくと便利です。月齢とは新月(月が見えない状態)になっている日時を0として、そこから経過した時間を日単位で表したもののことで、0から29.4で表されます。月齢は天気予報でも今日の月予報でよく伝えられますので、以下でご紹介する月の名前と月の対応を知っておくと、満月や三日月になるのがいつ頃なのかを知るうえで便利です。
月齢と月の名前一覧
月の名前は月齢によってさまざまな種類があります。月の呼び名で代表的なものは以下のようなものです。月が見えない新月から少しずつ月が見えてくるようになり、満月で月が全て見えるようになり、そこから徐々に月が見えなくなるという経過をたどります。
月の呼び名 | 月齢 |
新月 | 0 |
三日月 | 3 |
上弦の月(半月) | 7.5 |
十日夜 | 10 |
十三夜月 | 13 |
小望月 | 14 |
満月 | 15 |
十六夜 | 16 |
立待月 | 17 |
居待月 | 18 |
寝待月 | 19 |
更待月 | 20 |
下弦の月(半月) | 22.5 |
二十六夜 | 26 |
三十夜 | 29 |
代表的な月の名前と意味や由来
月の名前にはさまざまな種類があり、特に日本の場合は満月などの天文学的な呼び方に加えて、旧暦(太陰暦)にちなんだ名前もあります。ここではその中でも特に広く知られているものを意味や由来とともにご紹介しますので、ぜひとも覚えておくのがおすすめです。
1日頃の月の名前「新月」
月の名前で月齢順に見たとき、最初に来るのが新月です。新月は別名で「朔(さく)」ともいい、英語で「new moon」と呼ばれています。また旧暦では月の初日(1日)を意味していたため、「朔日」と呼ばれていました。なお神社で行われる「朔日参り」とは旧暦の毎月1日にお参りに出かけることを指します。
新月は月と太陽が一直線上に重なるため、太陽光の影響で月がほとんど見えません。ただし皆既日食が起こった時などまれに新月が輪郭で見えることもあります。
3日頃の月の名前「三日月」
月の名前で新月から3日目(旧暦3日)ごろの呼び名が「三日月」です。三日月は英語で「new creseent croissant」といい、パキスタンやトルコなどイスラム諸国では国旗にも採用されているほか、パンのクロワッサンも三日月から来ています。なお日本では細長く見えることから眉月など別の名称が多いです。
7日頃の月の名前「上弦の月」
月の名前で下側半分が見えている状態のものを「上弦(じょうげん)の月」といい、この状態の月は上側が弓の弦を連想させるのが由来です。いわゆる半月であるため、英語では後でご紹介する下弦の月とともに「half moon」と呼ばれています。新月から数えて7日目の状態で、夕方ごろに西の空に出てくるのが特徴です。しかも太陽よりも6時間ほど遅れて出てくるため、雲のない日であれば太陽光に邪魔されることなく観察できます。
13日頃の月の名前「十三夜月」
月の名前で新月から13日目の夜(旧暦で毎月13日の夜)に見えるものを「十三夜月(じゅうさんやづき)」といい、英語では「new gibbous moon」と呼ばれています。あと2日で満月というところまで来ているだけあって、月の形も満月に近い状態です。
古くから満月の次に美しい月の形とされており、特に旧暦9月13日の夜には宮中などで月見の宴が行われました。またこの日の月見では栗や豆をお供えした風習から「栗名月(くりめいげつ)」や「豆名月(まめめいげつ)」といった異名もあります。
15日頃の月の名前「満月」
月の名前の中で最もよく知られているのが満月です。陰暦毎月15日に見えるうえ、全く欠けるところがないところが由来になっています。英語でも「full moon」と呼ばれているところから、完全さを伴った月の形と認識されやすいです。ちなみに満月で特に大きなものは「スーパームーン」と呼ばれ、SNSなどでもよく話題になります。
別の呼び方で「望月(もちづき)」ともいい、平安時代の貴族だった藤原道長が自らの権勢を誇るために詠んだ歌にもこの語が使われました。ほかにも旧暦8月15日夜の満月を「十五夜」と言い、古くから月見団子などをお供えして月見を楽しむのが習わしです。
16日頃の月の名前「十六夜」
月の名前で新月から16日目の夜、陰暦16日夜に見える月が「十六夜(いざよい・じゅうろくや)」です。満月の翌日に見られますが、一晩中見られるため「不知夜(いざよい)月」とも呼ばれます。また十六夜以降の夜明けに見られる月は「有明の月」と呼ばれ、朝方に観察するのもありです。有明の月を観察するために早起きするというのも悪くありません。
17日から20日頃の月の名前「立待月/居待月/寝待月/更待月」
月の名前で旧暦17日から20日ごろまでは日ごとに月の出が遅くなることから、それに関係した名前が付けられています。17日夜であれば「立待月(たちまちづき・立って待つ月)」、18日夜は「居待月(いまちづき・座って待つ月)」という具合です。
23日頃の月の名前「下弦の月」
月の名前で旧暦毎月23日ごろに見られる月が「下弦(かげん)の月」です。上弦の月とは逆に弦の部分が下側に来るためにこの呼ばれ方をします。なお半月であるため、英語では「half moon」の呼び方が一般的です。
26日頃の月の名前「二十六夜」
月の名前で旧暦毎月26日夜に見える月は「二十六夜(にじゅうろくや)」と呼ばれています。英語で「old crescent moon」と呼ばれているように、3日目の三日月とは逆です。このため「逆三日月」と呼ばれることもあります。
30日頃の月の名前「三十日月」
月の名前で一番最後の段階を「三十日(みそか)月」と呼びます。旧暦では月最後の日も意味したため、1年最後の日である大みそかの語源にもなりました。新月に限りなく近いため、基本的に月の姿はほとんど見えません。
風情ある月の名前の意味を調べてみよう
月の名前について順を追っていろいろと見てきましたが、実は月の名称は今回ご紹介した以外にもたくさんあります。もし興味が沸いたのであれば、さまざまな本やサイトなどで今日の月を示す他の名前や意味を調べてみると楽しいです。
月の名前一覧と名前の意味や由来のまとめ
- 月の名前は満ち欠けに応じて決まる。具体的には月齢と呼ばれる新月の状態からの経過時間に応じて決まってくる。
- 代表的な月の名前の満月などは旧暦の日付に由来していることが多い。月の状態に応じた慣習が関係していることもある。
- 今回紹介したもの以外にもさまざまな月の名前がある。